たま子のひとり言 その２

　ねえ、もう幸せになったらいいさ。って言ってやった。世界に。だってずっとずっと見て来たけど、なかなか幸せにならないじゃん。なりたいなりたい言いながら、全然なってないんだもん。もはやこうなってくると本気でなろうとしてるのかさえ怪しい。いや、目指すべきところはつまりその、そうなんですが、いろいろ事情がありまして、どうにも。とか、いずれはなりたいし、こっちはこっちで頑張ってるよ、でもその前にいろいろと心も含めて準備とかやりたいこととかあったりするじゃん、その辺分からなくもなくない、とかなんとか言ってるけど、要するにやる気があるのないのって聞いてるの。いや、なりたいし、やる気あるし、って言いながら二言目にはでもっていうじゃん。それがダメじゃん。逃げてんじゃん。つまりはさ、内心全然いけるって思ってるんだよね。いつでもなれるって思ってる。待っててもいつかは勝手に手に入る。そういうものだと高を括ってるんだよね。じゃあこのまま生きて行って手に入らないの？絶対幸せになれないの？って聞かれたらこれまたそうだとは言い切れない。確かに。分からない。ダメになる保証もないよね、逆に。だからかな。だからダメよね。変に期待しちゃうじゃん。言ってほしいね、もう駄目だよ、このままじゃ本当になれないよとか、今のが最後のチャンスだよとか、はい、今から本気出すべきとか、はっきりきっぱり誰かが言ってくれたなら、みんなもっと簡単に幸せになってみせるのにさ。