今更 その1
2017年12月31日。
例年通り、母方のおばあちゃん家がある北海道に居た。『おばあちゃん家』というとおじいちゃんが『俺が建てた家なのになんでばあさんの家なんだ。』と本気で怒るのだけれど・・・もう呼び慣れてしまったから仕方ない。
年越しだからと、夜通しみんなで飲んだり、テレビを観たり、深夜から初詣に出かけたりなんてしない人たちなので、昨日と同じようにみんなが寝静まってからテレビをつけて、一人で紅白を観ている。
テレビの向こう側から伝わる熱気に、今年も一年が終わる事をなんとなく実感し始めて、日記帳を広げてみる。
一年の終わりだし、始まりだし、何か締めくくるような、始まりに相応しいような事を書きたいと思い、考えてみたけれど、考え始めて2秒くらいして、考えている時点でそれは作り物のように思われたので、やめた。
これと言って書かなくてはいけない事もない。来年の抱負は年が明けてからゆっくり書けばいいし、それも中身は既に決まっていて、今年一年を通して答えの出ているものを改めてなぞって、ただ形にしておくだけの作業にすぎない。
いつもと変わらない、一年。そして、その終わり。
ただ、一昨日北海道へやって来たときに乗った飛行機の中に、すごく素敵なCAさんが居て、その多分年下であろう美女の少し低い声と笑顔に憧れを感じた。そして、ああ、華やかな仕事のように見えるけれど、年末年始も休まず働いて、何なら普段よりも忙しくて、それでも奇麗にして、笑顔でいて、優しくて、えらいなあ、と思って、彼女たちの過ごす年越しを想像してみたりした。
北海道に到着すると、溶けた雪が凍っていて、道路が光って見えるくらいにツルツルだった。一歩一歩踏み出すのさえ怖いから、慎重に歩き過ぎて歩く事に疲れたり、その夜のうちにサラサラの雪が積もると、状況は一転して、すごく歩き易くなっていたりした。
おばあちゃん家に到着して、じいちゃんに挨拶しに行ったらいつになく笑顔で返してくれたり、お土産の手袋をあげたら『買って来てくれたのか。』って、すぐにはめて、ハイタッチをしてくれた。基本的に気に入らないものは絶対に身に着けない、超こだわり人間なので、なんだかよく分からないこそばゆさや嬉しさに襲われた。
それから、持って行った年賀状を書いていると、一言コメントがいつもより柔らかく自分の言葉で書けている気がしたり、母と一緒に姉の事を心配する事が出来たり、今観ている紅白で一番胸に響いたのは結局、『好きだ、けど言えない。』みたいな歌詞だったりした。そんな年末だった。
ドラマチック、ロマンチック、そんな事ひとつもなかったけど、眠っている間のものすごく静かな年越しだったけど、それがよくて、それが当たり前だと思った。
これからやってくる、2018年もそんな一年だったらいい。
何気ない普通の日々の中で、私のやるべき事ややりたいことがそういう事と同じような感じであったらいい。
そういう一年に私がします。
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